マグデブルグフィルハーモニー交響楽団で働き始めて、その合間に自 分のリサイタルをする時、「ピアニスト」が居ない不自由さがありました 。学生時代は周りに優秀なピアニストが多くて助けられてましたから ね。最初は南のミュンヘンから北のマグデブルグやベルリンにわざわざ 来てもらったりしてました。でも、やっぱり大変。
そんな時、ふとした事からカールスルーへ音大の講師で、マグデブルグのテレマンコンセルヴァトワールでも教えてるザーネ ストラディナさんを 紹介されました。同年代のやる気に満ちたピアニスト!しかも凄い実力者!すぐに一緒に活動始め、翌年来日も決まりました。
ところが!この来日、ザーネが日本に着く日まで私は他でリサイタルしてて迎えに行けない。しかも前日の「金沢公演」を、『カナガワ』と 聞き違えてた私の馬鹿さ加減。神奈川ならすぐ成田まで行ける、と勘違いしてた私は、急遽ザーネを東京から日本人の方に新幹線に乗り込ませてもらい、京都から、ザーネの乗ってる新幹線に合流する危ない計画を。そして見事にその新幹線に乗り遅れました。
もう幹内放送でドイツ語流してもらうよう頼み込むやら、それが駄目となると、京都で彼女がいったん降りてる事を想定して京都でドイツ語呼び出し何度もさせてもらうやら。。。結局どうしてよいのかわからず、ザーネが目的地に着いてる事を祈って小倉へ。
真っ青になってホテルに着いたら、そこにザーネは居ました!!あ~良かった~!!!と半なきの私に、ザーネは「敦子の書いてくれてた行き方見て、すぐわかったわよ。乗り遅れたんだな、と思った。」と、タバコふかしながら笑顔でした。強いよ彼女は、、有難かったです。