Munchen

左は、ミュンヘンで一番美しい処、と、私が思ってるマリエンプラッツです。パリで活躍する作曲家の鈴木理香さんが、フルートソロの曲、「風の通」のドイツ初演に際して駆けつ けてくださいました。

「風の通」はその少し前、東京津田ホールでのリサイタルに対して私の為に書いていただき、私は曲を最初に見たとき から、”これはいい感じ!好きだな!”と思いました。現代曲でそう感じる事って滅多にないですよ。日本でも好評だった「風の通」を、ミュンヘンの音大でクラスで吹いた時、それを偶然聴いてたある方に、「その曲を大ホールで吹いて欲しい!」とスカウトされて、ドイツ初演の実現でした。

ミュンヘンでも「風の通」は大好評!この後更にまたほかのコンサート にもスカウトされて演奏しました。後にはマグデブルグ歌劇場でも演奏 し、これも”センセーショネル!”と凄い反響。そのあと鈴木理香氏の新曲は短期間に2回までもマグデブルグ歌劇場で初演されました。

右のスタイリング、鈴木氏が「風の通」の曲のイメージに合わせて自らコーディネートしてくださったものです。

鈴木氏は視覚的センスも抜群で、曲にも視覚的イメージも持っているそう。

「風の通」は、鈴木氏にじっくりどの部分にどんな想いがこめられているのか、どういうイメージなのか、伝えてもらいつつ、フルーティスティックな部 分で私も色々アドヴァイスや希望を申し出て、仕上げに臨みました。それは私にとって新鮮な喜びで、忘れられない思い出です。

左はマグデブルグ歌劇場主催の、宮殿室内楽コンサート。デュオからトリオ、曲もラベルにマルティヌーにヴィラロボスと、色々な組み合わせの演奏会で、杮落としが鈴木理香氏の、フルートとピアノの為の「遠くへ 」でした。この日が初演で、一番前の席には鈴木氏の後姿が見えます。再びドイツに駆けつけてくださいました。「遠くへ」も大好評!私が歌劇場で練習してる時から、オーケストラの団員が「その曲何?いい感じね~。」と言い、是非聴いてみたいから、と、コンサートにわざわざ 来ていただいた方々も居ました。主催者も大喜び!鈴木氏の「クライネ オペラ ファンタジー」がマグデブルグ歌劇場依頼で2008年に初演される流れとなりました。

「遠くへ」の初演祝いに、鈴木氏とピアニストのザーネと三人でパチリ!演奏会のあった宮殿会場にて。

コンサートが終わって皆でレストランへ。写真は鈴木氏が撮ってくれました。ドイツの街並みは丁度、秋の紅葉が始まる、ちょっと寂しげで澄んだ空 気が綺麗でした。鈴木氏が”パリでの生活が長くなり、日本がだんだん遠くなってしまう。憂愁の想い。”を込めた「遠くへ」がこの季節にも溶け込むようでした。

前には先に歩いてるピアノのザーネとチェロのマルセルの姿が見えます。

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